山村浩二 右目と左目でみる夢 facebook twitter instagram



怪物学抄

怪物学抄
(かいぶつがくしょう)

2016年、6分10秒 劇場初公開
音楽:ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデル
音楽アレンジ、演奏、サウンドデザイン:冷水ひとみ
監督・アニメーション:山村浩二

架空の中世ヨーロッパの怪物学者による架空の怪物の公文書。「飼いならされた野生」「鎧という名の武器」などシンプルな言葉と動きを用いて怪物たちの生態を描写した作品。
公式セレクション:
 第7回ヒネス短編映画祭(スペイン)
 第25回ブラジル国際アニメーション映画祭 アニマムンディ2017(ブラジル)
 第3回スティルボイス短編映画祭 2017(アイルランド)

公式サイト

怪物学抄


           関連書籍

怪物学抄

「怪物学抄」
 山村浩二・著、河出書房新社
 2色 48ページ 7月18日発売
「筋肉質な暗闇」「レントゲンケーキ」…不可解な怪物たちが繰り広げる、奇妙なカイブツショウ!
 中世ヨーロッパの怪物学者が覗いた世界を、世界的アニメーション作家・絵本作家が描く傑作絵本。

応援コメント:
 欧米の独壇場だったお洒落怖い絵本が、
 日本で結晶化して嬉しい!
 ミムラ
(女優/エッセイスト)

 これら奇怪千万な生き物が
 全部自分に見える人は、
 かなり正常である。
 柴田元幸
(翻訳家)

 個性を伸ばしすぎた奴らが、
 壊れながら生きてる。
 かっこいい。
 穂村弘(歌人)

 日本には、真のデーモンたちが棲んでいる。
  ヤン・シュヴァンクマイエル
(映画監督)

"怪物学抄"
 澁澤龍彦的ヨーロッパ中世の怪物学の雰囲気を湛えた、怪物たちの百鬼夜行。
「筋肉質な暗闇」「レントゲンケーキ」など奇妙な言葉に合わせ展開する怪物たちの饗宴。
未知の怪物の百科全書が繰り広げられる架空の舞台は、見るものと見られるものの関係を揺るがす。
 アイディアの元は、山村浩二が2013年ごろから手帳にスケッチしていた怪物のイラストと、
翻訳されて奇妙に聞こえる言葉に興味をもって発想、創作していた断片的な言葉遊びのメモが、
サティの「パラード」制作直後に結びつき、アニメーションとして完成した作品。
音楽は、中世ヨーロッパの印象を表現するため、ヘンデルのチェンバロ曲を使い、
冷水ひとみのアレンジと演奏で実現した。
 映画的な構造を離れ、羅列されて、言葉と絵を並列にあつかう見せ方は、
映画の二次元性に注目する山村の新しい表現に挑戦した作品といえるだろう。
また単にお気に入りの怪物を見つけ楽しむこともできるキュートで楽しい作品でもある。
アニメーション完成後すぐに絵本化が決まり、今回映画公開と合わせ出版される。

作者コメント
20代の頃、澁澤龍彦や荒俣宏の紹介する中世ヨーロッパの怪物達や、
土佐光信の百鬼夜行絵巻に魅了され、
それらは自分の身となり、肉となり、とても近しい存在となっています。
怪物をモチーフにしたスケッチは、そのころからこれまで30年間の自分の手帳の中に度々登場しています。
それを絵本やアニメーションにすることも何度か考えましたが、
見せ方、たとえば物語といった枠組みの決定的なアイデアがなかなか出ませんでした。
今回の怪物達の直接的なデザインは、2013年ごろにスケッチした怪物のイラストが土台となっています。
それとは別に、聞き間違えや、翻訳されることで奇妙に聞こえる言葉から発想した
形容詞と名詞の変な組み合わせの断片的な言葉のメモを時々書いていました。
ここ数年言葉と映像を並列にあつかう見せ方を探求していた流れで、
その怪物の絵とテキストが自分の中で繋がり『怪物学抄』の創作が加速しました。
もうひとつ、2014年ゲーテの生家で見た家庭用人形劇の舞台装置が、
今回の怪物をみせる枠組みのアイデアの源泉となっています。
アニメーションは、ヘンデルの音楽が美しく映像と共鳴し、
絵本は、装丁も手がけ、愛着のある作品となりました。
皆さんに、お気に入りの怪物があることを願っています。
山村浩二